PC(Linux)で音楽CDデータをスマートフォン(Android)に取り込んで聴けるようにしたい

 PC環境

  • OS:Ubuntu 20.04LTS
  • 使用ツール(ソフトウェア):asunder, lame*1
  • CD/DVDドライブ:PCとUSB接続できる適当なもの*2
  • USBケーブル:PCとスマートフォンを接続できる適当なもの*3

手順

音楽CDデータをPCに取り込む

音楽CDをCD/DVDドライブにいれると、PCで"オーディオディスク"として認識され、"Track1.wav"というファイルなどが表示される。

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".wav"という拡張子のファイルはWAV形式とも呼ばれ、録音した状態の音質が保たれているものの非圧縮でファイルサイズが大きい。
WAV形式のファイルは、人間が聞き取れない音を取り除いた状態となるMP3形式に圧縮して、変換しておきたい。
さらに、CDDBというデータベースから音楽情報も取り込んでおきたい。

ツールのインストール

そこで、今回は、音楽情報取得率が高いとされている"Asunder"という音楽CDデータを吸い出すためのリッピングツール、その裏で動作するMP3変換ツールとして、圧縮率、音質ともにバランスの良いとされる"lame"を使用した。
コマンドライン上から以下のコマンドを入力することでインストールできた。

% sudo apt-get install asunder lame

ツールの設定

Asunderを起動できたら、保存先を決めておこう。
「設定」→「全般」を開き、ホームディレクトリ配下の「Music」とした。

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MP3形式とするためのエンコード設定も見直しておきたい。
「設定」→「エンコード」を開き、「MP3(ロスあり圧縮)」にチェック、ビットレートは「128Kbps」とした。
ビットレートとは圧縮率のことで、この設定値が大きいほど音質が良いとされている(その分ファイルサイズも大きくなる)。
音楽的嗜好や聴覚能力にもよると思うため、ビットレートは個人の判断にお任せしたい。

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さらに音楽情報取得率を高める設定を実施しておきたい。
「設定」→「詳細」を開き、「インターネット接続にHTTPプロクシを使う」にチェック、サーバ「freedbtest.dyndns.org」、ポート「80」とした。
実際、私の環境ではこの設定を追加することで、正しく情報を取得できた音楽CDもあった。

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WAV形式からMP3形式に変換

ここまでの準備が整ったら、いよいよ音楽CDからデータの吸い出しと、MP3形式への変換である。Asunderの「吸い出す」ボタンをクリック。

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「吸い出し」の進行状況が表示されるので、完了するまで気長に待とう。ここで一旦コーヒーブレイクを入れるのも良い。

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完了したら、さっそくスマートフォンでMP3を試聴する準備に取り掛かろう。

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MP3形式のファイルをスマートフォンに移動

今回、PC側はUSB Type-A、スマートフォン側はUSB Type-Cという形状のUSBケーブルを使用し、接続した。この時、スマートフォン側の「USB使用モード」は、「ファイルを転送」を選択しよう。この設定を入れることでPC側から、スマートフォンで利用中のSDカードが認識され、アクセスできるようになる。
作成したMP3形式のファイルをSDカードの任意のフォルダへコピーすれば完了である。

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スマートフォンでMP3を聴いてみよう

アプリによっては作法が異なると思われるが、スマートフォンに予めインストールされていた音楽アプリを使用した。
私の環境では、端末内にMP3形式のファイルが見つかり、再生できることが確認できた。

 

*1:音楽CDからデータをリッピング、PCやスマートフォンで聴けるデータ形式への変換に使用

*2:lsusbコマンドによると私の環境では"I-O Data Device"と表示されていた。

*3:私の場合、普段スマートフォンの充電に使用しているケーブルを使用した。